乾いた真昼の月
読みかけ閉じたままの本を
また開く頃にきっと光りだす
忘れる数分前の言葉
画面の向こう側 疲れた目で観ていた
映像には描ききれないほどの空
悲しいことで滲まないように
流れ出すぼやけた星の粒が
気付かれまいと急ぐように 尾を引いていく
誰かの願いを乗せて
その幸せへと想いを馳せて消えた
平凡な日々の上に横たえる頭が望む
彼方、上の世界へ浮かびあがる
結いだ髪が解けるように吹いた風に
ふと目を開けば
遥か深く根差したこの身体も
塞き止められた感情も理性でさえ
思い出せなくなるような広い夜空の隅
飛び発つ夢を見てた
流れ出すぼやけた星の粒が
気付かれまいと急ぐように 尾を引いていく
仮初めの器を捨て
いま わたしも 消える